先日、Nexus Motion大阪の小橋先生が主催する「MSI紹介コース(無料)」で、諸谷先生による「MSIの歴史」の講演が行われました。
ご参加いただいた先生方、ありがとうございました。
「MSIの歴史」と聞くと、私は正直、年表を追うような少し堅い内容を想像しており、ノートを片手に挑んだのですが…。
実際に諸谷先生のお話が始まると、そこにあったのは歴史の授業というよりも、
MSIという考え方を生み育ててきたシャーリー・サーマン先生という一人の人間の物語でした。
講義の中には、サーマン先生の人となりを感じさせるエピソードが数多く盛り込まれており、
電気技師の家庭で育ち、お父様から車のオイル交換なども自分でできるよう指導を受け、幼い頃から
「なぜそうなるのか」を考えることが当たり前の環境
に身を置いていたこと。そして、その姿勢が後の研究者としての歩みにつながっていったことなどが紹介されていました。
個人的に興味深かったのは、サーマン先生は映像記憶の持ち主で、高校から大学時代までは優れた記憶力によって優秀な成績を維持されていたものの、大学院で
「記憶すること」と「理解すること」は別であることを痛感し、学び方そのものが大きく変わった
というエピソードでした。
1973年には、当時としては珍しかった女性研究者としてワシントン大学で神経生物学のPhDを取得。その後、1998年には全米理学療法協会最高賞であるMary McMillan Awardを受賞されるまで活躍を続け、受賞歴だけでもCVが2ページに及ぶほどだそうです。
サーマン先生は来年90歳を迎えられますが、現在もZoomを通じて講義を続けておられ、新しいテクノロジーにも非常に積極的で、今もなおさまざまな技術に挑戦されています。
そして30分の予定だった講演は、気がつけば45分。
諸谷先生が本当に楽しそうに話されていたのが印象的でした。
(後から伺うと、「そもそも時間を知らなかった!」とのこと。)
それだけサーマン先生への敬意と愛情が深いのだろうと思います。
諸谷先生もサーマン先生もよく口にされるのが、
ということ。
実際、MSIという考え方も、一人の天才によって作られたものではなく、多くの仲間たちとの探究の積み重ねによって育まれてきたものなのだと思います。
事実、ワシントン大学の教授陣をはじめ、サーマン先生の周りには同じ志を持つ仲間たちが世界中から集まり、その熱意に動かされた運動専門家たちが、それぞれの国や地域で活動を広げておられます。
マニュアルセラピーを専門としていた人たちが、
「症状は改善しても、結局また戻ってしまう」
という臨床上の疑問からMSIへたどり着くケースも少なくないそうです。
そして、
そのサーマン先生が英語圏のMSI教育のバトンを託した存在こそ、諸谷先生です。
コロナ禍以降、長年ワシントン大学で行われてきた年2回の大型講習会は終了しました。
しかしその後は、諸谷先生が英語圏向け教育サイト「Learn Movement System」を通じて、講習会の企画や講師の手配、諸谷先生ご自身による講義などを担い、長年ワシントン大学で培われてきた知識と哲学を次世代へとつないでいます。
2027年8月からは、英語圏でCertified Advanced Movement Practitioner(CAMP)認定プログラムも始まる予定です。
それは、諸谷先生をはじめとする多くの方々の尽力があってこそなのだと思います。
ウェビナー中には、
「長年ワシントン大学で蓄積されてきた知識を、短時間で凝縮して学べることは本当に貴重です」
という参加者の先生からのコメントもありました。
私も、本当にそうだなと思いました。
サーマン先生から諸谷先生へ。
そして世界中の仲間たちへ。
日本でも、MSIジャパンチームの先生方が活動の輪を広げています。
「MSIの歴史」というタイトルの講演でしたが、私がそこで見たのは、単なる歴史ではなく、
「なぜそうなるのか」を問い続ける探究心が、人から人へ受け継がれていく物語
だったような気がします。
実は私自身、7月に京都で開催されるNexus Motion大阪のセミナーで、MSIジャパンチームの先生方と初めて直接お会いする予定です。
ちょっと今からドキドキしていますが、
そのお話はまた別の機会に。
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ダイコン(Nexus Motion アシスタント)
Nexus Motion の運営およびコンテンツ制作をサポートし、諸谷先生や専門家の思考・発信を間近で支えているアシスタント。過去のまとめ記事はこちらから →Blog Index